. Communique of the Seventh Session in Washington/Westfields, U.S.A. in Japanese |
第七回総会の最終声明 1989年5月25−28日 米国、ワシントン D.C./ウエストフィールド
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戦略変化の時
9. 人口問題は、大きな戦略的側面を持ち始めた。もし人類が現在の道程を進むのであれば、世界中の様々な地域の人口増加がもたらす莫大な経済不均衡は、地域紛争の要因となり、戦争の引き金ともなりえよう。1987年の開発途上国全体の国民総生産(GNP)が世界のGNPの16%であった反面、人口は世界総人口50億の76%であった。さらに、今日から2000年にかけての開発途上国での人口増加は、この不均衡をさらに悪化させることになるだろう。我々は、開発途上国における人口政策強化の重要性を訴え、すべての国家、とりわけ米国による国際人口援助計画への拠出とその財政援助の増大を要請する。
(注)トルドー氏に加えて下記の諸氏が参加した。 Jamshid Amouzegar (イラン)、Remy Carle (フランス)、Charles Caccia(カナダ)、 Jose Goldemberg(ブラジル)、Georgij S. Golitsyn(ソ連)、Wolf Haefele(西独)、 Abd-El Rahman Khane(アルジェリア)、Emile van Lennep(オランダ)、Wangari Maathai(ケニア)、 Robert Mabro(英国)、 Jim MacNeil(カナダ)、 Nabiel Makarim(インドネシア)、 Maria de Lourdes Pintasilgo(ポルトガル)、Amulya Reddy(インド)、 Joseph A. Stanilaw(米国)、Gus Speth(米国)、Ola Ullsten(スウェーデン)、 Alberto Vasquez Restrepo(コロンビア)、 Robert Williams(米国)、George M. Woodwell(米国) 11. 現在のエネルギー消費形態(とりわけ石炭、石油、ガス等の化石燃料)は、温室効果の増大、温暖化ならびに地球環境の劣悪化の中心的要因となっている。しかしながら、すべての国家の安全と存続の重大な鍵を握るこれらの相関関係に対する各国政府の認識が高まっているにも関わらず、二酸化炭素(CO )放出の抑制を意図した有効的調整策はとられていない。 12. 一層の調査が下記のような多くの分野において急務であることに疑問の余地はない。すでに膨大な調査が実行されており、成果もあがっている。新しい化学的・技術的解決策もいくつか見つかっている。一層の調査の必要性を政治的怠慢の言い訳にしてはならない。解決への努力の効果が表れるまでに一定の時間がかかることを考えると、すべての国が国家単位で、また全世界共同で速やかな行動をとらなければならない。いかなる国も、地球の温暖化という危険性から逃れることはできない。現在の怠慢さのつけは、数年後に回ってくるだろう。早急にとるべき第一歩として、各国が、化石燃料の利用およびその熱放出の削減という現実的な目標に向け努力していかなければならない。世界を化石燃料への過度の依存から脱却させるには、各国が継続的にエネルギー利用の割合を調整することが必要である。その過渡期には、核エネルギーが一定の役割を果たすことになろう。米国、日本、西側ヨーロッパ、その他のOECD諸国およびソ連は、主要エネルギー消費国として温室ガス放出の削減に向かって総合的政策を打ち出す特別な責任を負っている。 13. 先進工業国(OECD)は、化石燃料使用および温室ガス放出を削減するという目標に合意し、その実行のために法的措置をとるべきである。また、その目標を遵守するために定期的に監視し報告する権限を、国際エネルギー機関(IEA)に付与すべきである。その他の地域においても、同様の監視機関を組織すべきである。 14. 開発途上国における人口増加と経済成長の必要性は、基本的には化石燃料あるいはエネルギー需要の恒常的拡大というジレンマを生み出しており、これは地球環境をさらに脅かす原因となっている。従って、先進工業国はオランダの素晴らしい先例に習い、新たな地球開発基金に対する資金を計上すべきである。この基金では、開発途上国がエネルギー利用の効率を高め、環境へのリスクを減少する技術を獲得するように援助すべきである。同様に、国際金融機関ならびに二国間援助機関は、開発途上国の技術向上に貸付計画を向けるべきである。 15. 短期、中期、長期にわたる措置が必要である。短期的にはエネルギーを保護し、効率よく生産および利用することによって、かなりの量を節約することができる。これはまた、経費の節約にもつながる。技術的進歩がめざましいことから、極めて大胆な計画が実行できるだろう。 16. 価格がエネルギー消費を左右する有効な手段であることは立証されてきた。価格水準には、生態学上のリスクを削減する必要性が反映されるべきである。税金とエネルギー補助金の改正によって、化石燃料の需要を減少させることができるだろう。各国が協調的行動をとり、競争力のある立場からの交渉を避ければ、価格の調整は効果的であろう。研究・開発資金とエネルギー補助金を見直し、環境上安全なエネルギーの生産と効率性の高い手段の為に補助金が使われていることを確認すべきである。 17. 中期的には、化石燃料を石炭・石油からガスへ転換することによって、温室熱放出の水準が低下するだろう。 18. 長期的措置としては、すべての国々が、研究開発の優先度を大規模な再生可能なエネルギー開発に大きく転換することである。我々は、先進工業国、とりわけ7カ国先進国首脳パリ会議の参加国に対し、太陽エネルギーと光電池の導入およびその節約利用に関する大規模な10カ年共同研究計画への資金協力を呼びかける。資金供与は、直ちに開始すべきである。再生可能なエネルギー、とりわけ水力発電は、適正な条件で生産されるのであれば重要なエネルギー源として今後も利用されるべきである。 19. すべての国の首脳達は、無分別なエネルギー使用が将来にもたらす計り知れない危険と個人的に取り組み、必要な政策調整を打ち出すべきである。我々は、先進国、ソ連、中国の指導者達に、早急に国際会議を開き、大気中の成分の安定化を目的とした国際協定を早急に採択すると共に有効な組織的イニシアチブを確立するよう要請する。 20. 1970年代は、エネルギー安全保証の10年でもあった。その他のエネルギーへの依存度を減少させるために、石炭生産さえも奨励された。我々は1990年代を、安全と環境保全を両立させるエネルギー政策、すなわち環境上安全な非化石燃料の大規模な導入と推進がとられる10年にしなければならない。 21. 我々は、この分野における展開を引き続き今後の会議で検証していく。具体的には、環境の分野において国際的に設定された世界共通の目標を達成した諸国とその基準に達成しなかった諸国を公表することである。
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ワシントン会議出席者 1. インターアクション・カウンシルメンバー
2. 特別ゲスト
ヘスス・シルバ・ヘルゾク
(メキシコ前外相) |
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